丁度よい 藤場美津路

お前はお前で丁度よい
顔も体も名前も姓も
お前にそれは丁度よい
貧も富も親も子も
息子の嫁もその孫も
それはお前に丁度よい
幸も不幸もよろこびも
悲しみさえも丁度よい
歩いたお前の人生は
悪くもなければ良くもない
お前にとって丁度よい
地獄へ行こうと極楽へ行こうと
行ったところが丁度よい
うぬぼれる要もなく卑下する要もない
上もなければ下もない
死ぬ月日さえも丁度よい
仏様と二人連の人生
丁度よくないはずがない
丁度よいのだと聞こえた時
憶念の信が生まれます
南無阿弥陀仏

ある銀河のある恒星を周回する惑星での出来事

 

「どうして私は生まれてきたの?」「私は何のために生きているの?」

生きる事にも、死ぬ事にも理由なんてない。

ただそうなっている、それだけだ。

生きる理由も死ぬ理由も存在しない。

 

どんな人間でも死んだら仏だ。

徳を積んで生きようと、堕落して生きようと死んだら仏だ。

名を馳せて死のうと、孤独死しようと。

同じ仏になるのだ。

 

人間が生きようと死のうと、ある銀河のある恒星を周回する惑星での些細すぎる出来事だ。

他の銀河に影響は及ばないし、宇宙全体からみてみたら、人間の想像の域を超えすぎるほど細かすぎる出来事だ。

「出来事」とすら表現できないかもしれない。

人間が生きようと死のうと同じ事だ。

 

だから死ぬ事なんて怖くない。

生きる事も死ぬ事も同じなのだから、生きる事も怖くないはずだ。

「生きる事」の何をそんなに怖がっている?

たぶん、世間体とか人間社会だけの小さな事に怖がっているんだろう。

怖がらずに死ねばいいと思うし、怖がらずに生きればいいと思う。

どちらを選んでも同じだ。

 

ある銀河のある恒星を周回する惑星であなたが一歩踏み出したとする。

そんな「出来事」は、宇宙からしたら些細な出来事だけど、あなたの中にずっと残る。

あなたの記憶や心の中に残り続ける。

その積み重ねを人生という。

 

いじめを無くす方法

あなたの目の前に普通の人が居たとします。

どう思いますか?

「特に何も」って感じですよね。

 

ではあなたの目の前に犯罪者、もしくは前科者が居たとします。

どう思いますか?

「普通の人が目の前に居た時と違った感情」を抱きましたか?

この時点でいじめは永久に無くなりません。

 

あなたの目の前で「普通の人」が酷い目にあった時、どう思いますか?

助けようとしたり同情したりするあなたは優しいです。

 

ではあなたの目の前で「犯罪者もしくは前科者」が酷い目にあったとしたら。

どう思いますか?

「普通の人が目の前で酷い目にあった時と違った感情」を抱きましたか?

なぜですか?

「こいつらならしょうがない」みたいな感じですか?

 

それってなんか、いじめっ子の論理の「こいつならいじめていい」と似ていますね。

 

「犯罪者」、「前科者」、「普通の人」、すべて同じ「人」です。

すべての「人」に対して同じように接して、特定の属性の「人」に対して特別な感情を抱いたりしなくなることがいじめを無くす第一歩です。

 

「無茶言うな」と思ったあなた。

若い命が失われてもいいんですか?

人間社会で

かつて人間社会で「医者」と呼ばれていた男が死んだ
彼はもともと卵子で、骨と肉で構成されていた
燃やされたら「灰」が遺った

 

かつて人間社会で「ホームレス」と呼ばれていた男が死んだ
彼はもともと卵子で、骨と肉で構成されていた
燃やされたら「灰」が遺った

 

かつて人間社会で「弁護士」と呼ばれていた女が死んだ
彼女はもともと卵子で、骨と肉で構成されていた
燃やされたら「灰」が遺った

 

かつて人間社会で「風俗嬢」と呼ばれていた女が死んだ
彼女はもともと卵子で、骨と肉で構成されていた
燃やされたら「灰」が遺った

人間の価値

よく「価値のない人間」という言葉を耳にする。
「価値」とはなんであろうか。
「価値のある人間」とは、「誰かに貢献している人間」という意味なのであろうか。

誰かに貢献しているからなんであるだ。
誰かに貢献していないからなんであるのだ。
誰かに貢献していようとしていまいと、「人間」は「人間」である。
動物である。
肉があり骨がある。
細胞がある。
物質で構成されている。

「価値のある物質」とは何か。
「価値のない物質」とは何か。

そもそも「価値」とは誰が決めている?
おそらく発言者の中の「常識」や「世間」であろう。
「常識」とは何か。
それは立場や考え方次第で変わるものだ。
「世間」とは何か。
それは社会情勢によって変わるものだ。

もし「あなたは価値のない人間だ」と言われたとしたら、それを変換すると、「あなたは自分(発言者)が勝手に常識だと考えている一般的な、世間的な、あいまいとした「価値」というものがない人間だと自分は思っている」と言われているに過ぎない。
だから考えすぎたり思い詰めたりする必要はない。

偏差値が高い方が価値がある。
年収が高い方が価値がある。
交際人数が多い方が価値がある。
慕われている人間が多い方が価値がある。
まやかしだ。
偏差値が高い人間も低い人間も、
年収が高い人間も低い人間も、
交際人数が多い人間も少ない人間も、
慕われる人間も慕われない人間も、
いつか死ぬ。
燃やせばただのカルシウム。
物質。

「価値のある物質」とは何か。
「価値のない物質」とは何か。
答えられる者も物質であるし、答えられない者もまた物質である。

脱法ハーブを吸った②

※以前STORYS.JPというサイトに掲載したところ削除されてしまった記事をそのまま記載します

 

脱法ハーブを「二度とやるか!」と心に誓ってから3年以上が経ったある日。
脱法ハーブで自動車暴走、などのニュースが流れ始め脱法ハーブに対する世間の認知度は高まってきていた。
自分は喫煙者となり、ドラッグについての知識も本やネットなどで身につけていた。
ニュースで観てハーブという言葉とかつての経験を思い出した自分はこう考えていた。

「あの時失敗したのは量とセッティングが悪かったからバッドに入っただけじゃね?」

薬物は使用した時の気持ちが増幅される。
自分は高校生の頃初めての予想外の経験にびっくりして、「どうしよう!」と思ってしまった。
その「どうしよう!」という不安な気持ちが増幅されて、楽しむ方向に舵を切ることができずに混乱≒バッドに入ってしまったのである。
「それならば、うまく舵を切ればまだ見ぬ世界を経験できるのではないか?」そう考えていた。

まずは「自分の行ける範囲の栄えている地域+合法ハーブ」で検索してみた。
すると大体4、5件はヒットした。
驚くべきことに、最寄駅の近くにも脱法ハーブ店は存在していた。
行けるところは全て行ってみた。
「二度とやるか!」の時にボングも捨ててしまっていたので、パイプ探しも兼ねていた。
パイプは見つからなかったが、雰囲気が合い扱う銘柄も多い店が何件か見つかり、そこを行きつけと決めた。
パイプはまたも楽天で購入した。
今度はボングではなく、収納や持ち運びに便利なモンキーパイプを選んだ。

荷物が届くと早速電車で一駅の店と最寄駅の近くの店に向かい、それぞれの店のオリジナルのブレンド品を1袋ずつ買った。
合計5000円ほどだったと思う。
帰宅したら、自室の隣のベランダで最寄駅の近くで買った方のハーブを早速吸う。
以前と違い喫煙者なのでベランダにいても怪しまれないし、いざという時パイプは畳んでポケットに入れられる。
タバコで喫煙作法に慣れていた自分はすんなりと2、3口吸うことができた。
しばらくベランダでしゃがみこむ。

・・・
なんか自分の意識が天に向かっているような、天から自分を俯瞰しているような。
あっ思い出した。
懐かしい、「あの時」の感じだ。
高校生の頃経験した、「0.1秒前何をしていたのか忘れてしまう」感じだ。
自分は「ベランダでしゃがんでいる」ことを忘れていた。
ここでびっくりしたり家族の目が不安になったりしてしまうと、また無限ループに陥ってしまう。
立っているのを忘れつつ、ベランダのドアを開け閉めしているのを忘れつつ、部屋に戻ろうとしていることを忘れつつ、なんとかうまく波に乗りながら部屋で横になることができた。
その日は懐かしさに包まれながら落ち着き、自然と眠りについていた。

起床して、昼頃に今度は違う方のハーブを吸ってみた。
「忘れる感じ」も予想できていたので、うまく波に乗りながら部屋に戻り横になる。
当時は携帯電話を持っていなかったので、ネット閲覧用に使っていたiPod touchを眺めていた。
すると、なんとiPod本体が一昔前のゲームの3Dのような感覚で見えるのである。
以前より住人が増えた合法ハーブまとめwikiのコメント欄で見かけた、「部屋の物が3Dに見える!」とはこのことだったのかと思った。
それからは特に目立ったこともなく、効果の切れ際は非常にリラックスした気持ちになっていた。

後日。
電車で二駅の店と最寄駅の近くの店で違う銘柄をそれぞれ購入。
どちらの方か忘れたが、夜に吸って今度は音楽をかけてみることにした。
音楽が心に響く。
響きすぎる。
低音は骨まで響き、高音はまるでコンポ自体が歌っているかのよう。
次第に、コンポのスピーカー部分が口のように、自分で動かして歌っているかのような幻覚が見えた。
自分は感動してとても幸せな気分になっていた。
それからハーブを吸うなり音楽を聴くのが日課になった。
コンポが歌う。
加湿器が歌う。
間接照明が作り出した影が動く。
楽しくなった自分は脱法ハーブ店に何度も赴き、行くたびに新しい銘柄を追加していた。
1袋4000円が相場の中、6000円もするハーブも見つけた。
「強気な価格設定ですね。」
そう店員に言うと、
「これは業界人の中でも一目置いている品物です。おすすめですよ。」
と言われて乗せられてしまったこともある。

自分は何個かハーブを所持していたが、その中に一つまずいものがあった。
時々wikiのコメント欄で「一欠片でも持っていかれる」というような書き込みを見かけていたのだが、まさしくそのようなハーブに当たってしまったのだ。
いつものように吸って部屋に戻ると、固まった。
部屋の照明のスイッチをガン見したまま、視線を動かすことができない!
「ガガガガガガ」と騒音が頭の中で鳴り響く。
騒音の中思考が停止して、ただただスイッチをガン見し続ける。
地獄だと思った。
騒音が止まりやっと動くことができたかと思うと、今度は何か声が聞こえてくる。
視界いっぱいに大量の泡のようなものが溢れ出し、
「あゎ~♪」との高い声が響き出した。
そして美しい旋律の歌が流れ始め、自分は感動して思わず涙を流していた。

それからは様々な幻覚を見た。
思い出せるけど説明不可能なものや、音楽に合わせて人類の進化を教えてくれるようなものなど。
どれも何か意味のあるもののように感じては、感動し涙を流していた。
幻聴も聞こえたことがある。
とても優しい幻聴で、またも自分は泣いていた。

精神的に落ち込んでいる時もハーブを吸った。
吸うと楽になったが、足がビクッと動いたり、心臓がズキン!と痛んだりしたこともある。
落ち込みがMAXの頃、自分はハーブを使っての自殺を計画していた。
「忘れる」感覚を活かして、「息を止めていることを忘れて死ぬ」というものだ。
ベッドの上で羽毛の掛け布団に顔を乗せ、体重をかける。
すでに息が苦しい。
息をすることを止めてみた。
限界まで止めた頃、おそらく気を失ったのか、楽になった。
その時、生命の存在する意味について示すかのような幻覚?はたまた夢?を見た。
その内容については書かないが、意識が回復した頃、自分は何か満足感のようなものを得ていた。
自分は何かを悟ったのだ。

あくる日、ハーブで嘔吐した。
吸って寝転んだ後、急に自分自身を斜め下から見上げているような感覚に陥り、そのまま嘔吐してしまった。
吐いている最中「汚忌多くん死んじゃったなり~!」というような幻聴も聞こえた。
窓を開けたまま嘔吐したので、通行人に不審がられたかもしれない。
それからはハーブは机の中に封印してしまった。

ハーブをやめた自分は、違うものに目をつけていた。
「合法パウダー」である。
バスソルトとも呼ばれ、実物を見たことはないが見た目はまるで覚せい剤のようだ。
主な使用方法は、タバコの先にちょんちょんとつけてそのまま火をつけてタバコと一緒に吸う、というものだった。
電車で二駅の店と最寄駅の近くの店で取り扱っていたので購入し、吸ってみる。
ネットで調べた通りに最初のひと吸いで思いっきり息を止め、ゆっくり吹く。
息を吹いた時、自分はとろけんばかりの快感に包まれていた。
これには癖になり、家のみならずあらゆるところで毎日のように吸った。
合法パウダーのケースは非常に小さい筒状で、開け口からちょうどタバコを1本差し込めるようになっている。
ハーブと違ってパイプを持ち歩くこともないし、もし吸っているところを見られたとしても普通の喫煙にしか見えない。
路上で吸って、活力が漲りながら散歩したりした。
しかし合法パウダーはハーブとは違って依存性が凄まじかった。
ひどい時には5分おきに吸っていたし、値段も高かったので、中止させるには苦労した。

しばらくして、自分は急に「合法麻薬」そのもの飽きてしまい、ハーブもパウダーも全て捨ててしまった。
昨今脱法ハーブは危険ドラッグと呼ばれるようになり、販売店は自治体の取り組みや警察の根強い捜査などで壊滅した。
ハーブやパウダーなど、危険ドラッグはもうやろうとは思わない。
しかしハーブで窒息した時得た悟りは自分の人格や世界観に今でも影響を与えている。

脱法ハーブを吸った①

※以前STORYS.JPというサイトに掲載したところ削除されてしまった記事をそのまま記載します

 

かつて脱法ハーブを吸っていた時期がある。
詳しく年齢は書けないが、高校生の頃と、20代前半の頃である。

下書きしたら長くなったので今回は高校生の頃の話のみです。

高校生の頃は、世間での呼称は「合法ハーブ」というよりそもそも世間に認知されていなかったと思う。
今もあるか知らないが合法ハーブまとめwikiなるものが存在し、wikiを見ても銘柄がそれほど無かったように思う。
通販業者も少なかった記憶がある。
wikiに載せられている通販業者を利用して、おすすめされているものを1袋買った。
4000円ほどだったと思う。
届いた袋の中には乾燥された緑色の植物の破片が詰め込まれており、嗅ぐと独特の匂いがした。
最初はまず、ネットで見つけた画像をもとにアルミホイルでパイプを作って吸ってみた。
だが当時喫煙していなかった自分は吸い方がよく分からず、何も感じることはできなかった。
しかし何度か試してみたある時、口から細い煙を吹くことができた。
「これは吸えた」と思った自分は、ベッドで仰向けになって寝て経過を観察してみることにした。
なぜだか、気持ち良い。
全身が敏感になっているのか?
息をしてお腹が動くたびに服の裏地と身体がこすれ、気持ち良い。
つま先から胸に向かって快感の波が何度も押し寄せてくる。
インパクトは無かったが、素朴な気持ち良さだった。
これが脱法ハーブで気持ち良いと思った最後の1回だった。

自分は毎日のように吸おうとは思っていなかった。
ハーブも机の中にしまったままだった。
ある日の夜なんとなく、吸ってみようと思った。
楽天で買って届いていたボングを使ってみたかったのもある。
夜は家族が家にいる時間帯で、喫煙していない自分の部屋から煙の匂いがしたら不審がられると思い、窓を半分開けて身を乗り出して着火した。
ひと吸いだったが、今考えるとものすごい量の煙を吸ってしまった。
普通のタバコなら気分が悪くなるレベルの量を、しかも深吸いした。
喫煙していなかった自分はその尋常ではない煙の量に気付かず、ちゃんと煙が吹けたのを確認しては「吸えた」と一安心していた。
ボングの水を窓から捨て、机の中にしまい、さて横になろうと座っていた椅子から立ち上がった。

・・・
何かが回転している。
・・・
何かが回転している。
よく考えると足が動いているように思う。
足を止めてみよう。
少しずつ回転が遅くなっていく。
線のような物が見える。
線のような物が見える。
自分は何か嫌な予感がしてぞわっとした。
回転していた線が止まっていく。
「えーーーっっっ!!!」というような、心臓の止まるようなものすごいショックを受けた。
自分は畳の縁の上を、1人で行ったり来たりしていたのだ。
下を向いてずっと歩いては踵を返し、歩いては踵を返しを繰り返していたから、畳の縁が回転しているように見えたのだろう。
こんな姿をもし家族に見られていたらどうしよう・・・!と部屋のドアを見るが、閉まったままであった。
安心しようと思ったが、自分は「なぜどうしようと思ったんだっけ?」と思っていた。
「なぜどうしようと思ったんだっけ?」
「なぜどうしようと思ったんだっけ?と思ったんだっけ?」
「なぜどうしようと思ったんだっけ?と思ったんだっけ?と思ったんだっけ?」
「なぜ・・・」気が付くとさっきから畳の縁の上で突っ立ったままだった。
こんな姿を見られていたら・・・!再びドアを見るが、何も変わらない。
自分はベッドの上に両手をついた。
「どうしよう」と思っていた。
「どうしよう・・・」
「なぜどうしようと思ったんだっけ?」
「なぜどうしようと思ったんだっけ?と思ったんだっけ?」
「なぜどうしようと思ったんだっけ?と思ったんだっけ?と思ったんだっけ?」
気が付くとベッドに両手をついたまま固まっていた。
家族に・・・!と思いまたドアを一瞥する。
変わりはなかったが、このまま固まったままだともし家族に部屋に入られた場合不審がられると思い布団を被ることにした。
布団の中で、自分は「早くこの状態終われ!」と思っていた。
時計を見た。
しばらく待ってみて、また時計を見た。
5秒しか経っていなかった。
今度はとにかく「終われ!終われ!」と思いながら辛抱してみることにした。
悠久の時を過ごしたと思った。
時計を見ると、30秒しか経っていなかった。
自分は本気で絶望し、生まれて初めて「神様!」と思った。
しばらく絶望の中だったが、ふとあることを閃いていた。
「オナニーをしてみよう」
すぐさま始めると、読みは当たっていた。
「なぜしているんだっけ???」
「なぜしているんだっけ???と思ったんだっけ???」
「なぜしているんだっけ???と思ったんだっけ???と思ったんだっけ???」
この間、身体はオンのスイッチしかない機械のように高速で動きっぱなしだった。
「なぜ?なぜ?なぜ?・・・!!!」
射精した。
尋常ではない量の射精をした。
「これがキメセクか・・・」とオナニーなのに勝手に思っていた。
疲れて大きく深呼吸していたが、やはり「この状態」の終わる余地は見えないでいた。
「神様・・・」と思っては、些細なことで「なぜ?なぜ?」のループにはまる。
気が付くと夜が更けていた。
とりあえずシャワーを浴びようと頑張って浴室まで辿り着いたが、自分は鏡を見て悲しくなった。
そこに映っていたのは目がとろんとしていて焦点が合っていない男の顔、「イっちゃっている」自分の顔だった。
シャワーを浴びて落胆しながら自室に戻る。
横になると、少しだけ眠りにつくことができた。
目が覚めたらピーク時よりはだいぶ回復していたが、まだ違和感が残っていた。
しかし動けることは動けるので、ハーブを全てトイレに流して捨てた。
「二度とやるか!」当時の自分は、そう強く思った。

それから2、3日ほど違和感が取れずに苦しんでいたが、次第に違和感が取れ、やっと「生きている」と思うことができた。
しかし、しばらくしてから時々フラッシュバックのようなものに悩まされるようになってしまった。
出かけたり、友達と話したりしている最中に、「あれ、俺何してるんだっけ」と立ち止まってしまう。
誰にも言えない症状だった。
この症状が完全に現れなくなるまで、半年から1年はかかったと記憶している。